建設業界の特定技能外国人の採用を考える~特定技能のメリット・デメリット~

建設業界の特定技能外国人の採用を考える~特定技能のメリット・デメリット~

最終更新日:2020年10月30日 執筆日:2020年10月30日

建設特定技能を採用するメリット

作業内容の汎用性が高い

特定技能の作業内容は、技能実習の作業内容と比較して、作業内容の汎用性が高いのが特徴です。
そのため技能実習生と比較して、特定技能外国人は、より日本人に近い作業内容で雇用することが可能です。

特定技能の作業内容については下記のリンクに記載されていますのでご確認ください。
出典:国土交通省

日本語レベルが最低N4以上

外国人の方々が特定技能の在留資格を取得する方法は2つあります。
2つの大きな違いは「試験なし」か「試験あり」かの違いです。

  • 試験なし:技能実習2号修了後、特定技能1号へ移行
  • 試験あり:技能検定・日本語能力試験を合格し、特定技能1号を取得

※日本語能力試験で求められるのは日本語レベルN4以上
⇒技能実習からの移行は試験なしです。

N4レベル=基本的な日本語を理解できるレベル
国外からの特定技能希望の外国人や国内の留学生などは特定技能の取得条件として最低N4(日本語能力試験)以上の日本語レベルが求められます。

専任技術者になることが可能

一般建設業において下記の3つの内のどれか1つクリアできれば専任技術者になることが可能です。

  • 建設業種に応じた国家資格を持っている
  • 許可を受けようとする建設業種の実務経験が10年以上ある
  • 許可を受けようとする建設業種で定められた学歴+3年以上又は5年以上の実務経験

技能実習から移行し、特定技能2号まで業務を継続した場合は、上記の「許可を受けようとする建設業種の実務経験が10年以上ある」をクリアすることが可能になります。
※技能実習2号から特定技能1号へ移行した場合は特定技能2号でプラス2年の就労が必要

特定技能2号外国人が専任技術者になることで企業側としては、下記の2つのメリットがあります。

  • 建設業許可の取得と維持が可能 ※専任技術者がいなくなった場合、許可の維持は不可
  • 新しく営業所・支店を出店することが可能

建設特定技能のデメリット

日本人と同等以上の給与+受入れ負担金

特定技能外国人は日本人と同等以上の給与設定が義務付けられています。
給料設定は特定技能外国人のキャリア年数と、同等のキャリア年数の日本人の給与を照らし合わせて設定します。
建設業界のみ特定技能1号を採用する際、受入れ企業が毎月負担しなければいけない「受入れ負担金」が発生します。加えて登録支援機関委託費用など、日本人の雇用にはかからない費用が加算されるため実質日本人よりコストは高くなります。

転職が可能

特定技能は転職が可能になります。
特定技能は一定の技能を持った即戦力の採用がですが、その企業と特定技能外国人本人の意向が合わなかった場合は転職可能になります。
※転職防止する対策としては、自社内で技能実習からの移行し、技能実習の期間中に自社を愛してもらう教育やレクリエーションを行なうことで転職の可能性は大きく減少します。

技能実習生より採用が難しい

特定技能外国人の採用のルートは大きく分けて下記の4つになります。

  1. 技能実習から特定技能への移行
  2. 留学生が技能試験と日本語能力試験を合格し特定技能へ移行
  3. 現在海外にいる試験合格者、元技能実習生を集客する
  4. 現在日本にいる試験合格者、元技能実習生を集客する

理想は「1技能実習から特定技能への移行」です。
なぜなら、採用活動の必要がなく、技能実習の期間で受入れ企業と技能実習生が良好な関係を築けていれば、転職の防止にも繋がるからです。

特定技能外国人をできるだけ早く採用したい企業様に対しては、3と4のルートが現実的になります。

3関しては、募集の際、技能実習を終えた元技能実習生が「再度日本で働きたい」という意思があることが前提になります。加えて、募集をかけることからスタートするのでどの位の期間で、何名集まるかなどは不明確になります。

4に関しては技能実習2号、3号修了のタイミングが技能実習生によって異なる為、タイミングが問題になり募集する際の難しさがあります。

建設業界の特定技能外国人の採用を考える~特定技能のメリット・デメリット~

引用:建設業しんこうWEB

建設特定技能の受け入れ企業の条件

元請け企業に求められる条件(現場管理)

元請け企業も特定技能外国人を雇用する下請け企業と協力して、現場での確認が求められます。
下記は国土交通省HPの建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の「建設業者団体及び元請企業に対して特に課す条件」の一部を記載したものです。

建設現場では、元請企業が現場管理の責任を負うことから、特定技能所属機関が下請企業である場合、元請企業は、特定技能所属機関が受け入れている特定技能外国人の在留・就労の資格及び従事の状況(就労場所、従事させる業務 の内容、従事させる期間)について確認すること。

※特定技能所属機関・・・特定技能外国人の方を受け入れる企業

元請け企業と下請け企業が連携し、適正に運用していくことが上記のように求められます。

受け入れ企業(特定技能所属機関)に求められる条件

特定技能外国人の方を直接雇用する受け入れ企業(特定技能所属機関)に求められる条件は下記の11点になります。
この11点は国土交通省HPの建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の「特定技能所属機関に対して特に課す条件」を記載したものです。

① 特定技能所属機関は、建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第3条の許可を受けていること。

② 特定技能所属機関は、国内人材確保の取組を行っていること。

③ 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本 人が従事する場合と同等以上の報酬額を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること。

④ 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、雇用契約を締結するまでの間に、当該契約に係る重要事項について、当該外国人が十分に理解することができる言語で書面を交付して説明すること。

⑤ 特定技能所属機関は、当該機関及び受け入れる特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること。

⑥ 特定技能所属機関は、外国人の受入れに関するア①の団体(当該団体を構成する建設業者団体を含む。)に所属すること。

⑦ 特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数と特定活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、外国人建設就労者、1号特定技能外国人を除く。) の総数を超えないこと。

⑧ 特定技能所属機関は、国土交通省の定めるところに従い、1号特定技能外国人に対する報酬予定額、安全及び技能の習得計画等を明記した「建設特定技能受入計画」の認定を受けること。

⑨ 特定技能所属機関は、国土交通省又は国土交通省が委託する機関により、⑧において認定を受けた計画を適正に履行していることの確認を受けること。

⑩ ⑨のほか、特定技能所属機関は、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。

⑪ そのほか、建設分野での特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れに必要な事項

※特定技能所属機関・・・特定技能外国人の方を受け入れる企業
※特定活動・・・法務省が個々の外国人について特に指定する活動
例:インターンシップ、ワーキングホリデー、アマチュアスポーツ選手等

上記の条件を満たしながら、適正な運用を行うことが求められます。
建設業界には受け入れ企業が特定技能にて適正な運用を行っているかを巡回指導する団体「FITS(一般財団法人国際建設技能振興機構)」が存在します。
FITSについての説明はこの次に説明していきます。

FITS(一般財団法人国際建設技能振興機構)について

FITSとは

FITSとは建設特定技能・特定活動が適正に実施されるために登録支援機関、受入れ企業に対して巡回指導や、「FITS相談ホットライン」を開設し、外国人の方々からの母国語による電話相談などを行っている機関です。

巡回内容訪問

1号特定技能外国人の受入企業を訪問し、建設特定技能受入計画等にしたがって適正な受入れが実施されているかを下記の方法で確認し、指導を行います。

  • 受入れ責任者・担当者の方からのヒアリング
  • 賃金台帳、出勤簿等の書面の確認
  • 特定技能外国人のみなさんとの母国語での面談

※特定技能は、2019年にできた新しい制度なので巡回訪問の回数等の規定は現状ない状態です。

まとめ

建設業界は今後、現在よりも人材不足が厳しくなってきます。
その中で新たな常識になってくる特定技能外国人についてご説明させていただきました。

特定技能にもメリット・デメリットがあるのでしっかり理解した上で適正な運用をしていけば、企業側と外国人の方がお互い良い関係で仕事ができると思います。
そのようなプロセスで当社もご協力させていただけましたら幸いです。
最後までご覧いただき誠に有難う御座いました。

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