外国人労働者の不法滞在・オーバーステイは、経営者にとって悩ましい問題です。仕事が真面目で人あたりもよく、一見問題なさそうな外国人労働者が実は不法滞在者であったケースは少なくありません。外国人労働者の不法滞在を見過ごすと、大きなトラブルになる恐れがあるため、十分に注意が必要です。ここでは、外国人労働者の不法滞在を防ぐ方法と見過ごすことの危険性について詳しくご紹介します。

不法滞在とは?

不法滞在とは、その名のとおり違法になる形で日本に滞在することです。日本国籍を持たない外国人は、入国時に滞在できる期間が決められます。その期間を超えて日本に滞在し続けることが不法滞在です。

不法滞在が発覚すると、罰則を科せられたうえで強制退去となり、最低5年は再入国ができません。ただし、違反の程度が軽度な場合は、再入国できるまでの期間が短縮される可能性があります。しかしながら、前科に残るうえに罰則が科せられるため、日本で就労する外国人労働者は十分に注意しなければなりません。

労働者だけではなく、採用の担当者も外国人を受け入れる前に確認しておくべきことがいくつかあります。トラブルを未然に防ぐためにも必要なことですので、忘れずに確認しておきましょう。
こちらの記事で詳しく紹介しています。

不法滞在には、不法入国と不法残留があります。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

不法入国

不法入国とは、入国審査を受けずに入国したり、審査に偽造パスポートを使用したりして、不正に入国することです。外国人が日本へ上陸するには、空港や港で上陸許可を得て在留資格を取得する必要があります。

入国審査を免れるために貨物に紛れたり、何らかの方法で審査窓口を避けたりするケースがあるのです。さらに、姓名や年齢、国籍などを偽ることで審査を有利に進め、不正に入国するケースもあります。

不法残留

不法在留とは、在留資格の種類や内容に応じて定められた在留期間が満了した後も日本に残留することです。定められている在留期間を超えて滞在することは認められていないため、不法滞在となります。職務質問や雇用主などによる調査で発覚しない限り、残留し続けることが可能です。不法滞在によって国外退去となった人数は減少傾向にあるものの、毎年数千人以上の不法滞在が発覚しています。

(※)参考:法務省
不法滞在外国人縮減のための取組についてPDFより

外国人労働者の不法滞在を防ぐには?

外国人労働者の不法滞在を防ぐには、在留カードの確認を徹底するしかありません。在留カードは、3ヵ月以上の滞在を許可されている外国人が交付を受けるものです。有効期限が切れていないか、偽造ではないかなどを確認しましょう。法務省の失効情報紹介サイトで確認できます。

在留カードには、居住地や在留資格の種類、在留期間、有効期限、在留カード番号、顔写真、特別永住者証明書番号が記載されています。

また、従業員からの情報提供を求めるのも有効でしょう。他の従業員に自分が不法滞在者であることを伝えるケースがあります。従業員が密告しやすい環境を作ることで、不法滞在者を見つけやすくなるでしょう。

外国人人材を雇用する際は、外国人に特化した人材会社を利用すればこうした心配もなく安心して採用することが可能です。
こちらの記事では、プロにまかせた場合のメリットなどを詳しく紹介していますので、あわせてご覧になってみてください。

時間を超えて働かせていた場合は、不法就労助長罪にあたる

不法滞在者であることに気づいていたかどうかに関係なく、所定時間を超えて働かせていた場合は不法就労助長罪に問われます。罪に問われるのは次の人物です。

  • 不法滞在者を雇用した人
  • 不法滞在者を使用した人
  • 不法滞在者を派遣して労務に従事させた人
  • 不法滞在者に宿舎を提供した人
  • 不法就労者のパスポートなどを預かった人
  • 不法滞在者の入国費用などを負担して支配できる立場に立った人
  • 不法滞在者をあっせんした人
  • 不法滞在者を仲介した人

不法就労助長罪の罰則は、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金、あるいは併科です。仮に3年以下の懲役になった場合、会社の存続が危ぶまれる事態になります。不法滞在者だと知らなかったでは済まされないため、雇用側としても不法滞在者について詳しく確認しておくことが大切です。

また、在留資格の内容と活動内容に相違がある場合も、不法就労助長罪に問われます。在留資格があればどの職にも就けるわけではないので注意しましょう。

現地の外国人派遣会社を名乗る業者から外国人を受け入れている場合は、その業者の実態を調べることをおすすめします。実際には、不法滞在のあっせん業者の可能性があります。活動内容に合わない在留資格で継続的に働かせてしまい、不法就労助長罪に問われる恐れもあるでしょう。

外国人労働者の不法滞在を未然に防ごう

外国人労働者を雇用するときは、不法滞在者ではないか十分に確認してください。法務省の失効情報紹介サイトで偽造カードではないか、失効していないかなどを調べることが大切です。また、密告しやすい環境づくりや、派遣会社と取引するときの信用調査も欠かせません。外国人労働者の不法滞在を未然に防ぎ、会社の利益と自分自身を守りましょう。

 
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