前書き

現在コロナウイルスの蔓延により日本だけでなく世界規模で経済が混乱している状態が続いております。日本は出入国規制が続いており、どこの国からも日本への入国ができず、海外からの人材の流入ができていません。

企業様によってはすでに特定技能の人材を確保しつつも入国待ちとなっており、いつ日本で就業できるのか見通しがついてないと困っていることもあると思います。

当社で支援している企業様でも多くの方が入国待ちとなっている状況です。これから人材確保に向けて特定技能を検討しているが、実際どれくらいの方が特定技能として働いているのか等、多くの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

当社が関わっている企業様でも多くの疑問をお持ちです。2019年4月から施行されている特定技能ですが、実は法務省から詳細な統計データが出ていますので、今回はこちらを紹介させていただきます。

特定技能の在留状況(国籍・分野別)のリアルを知りたい

2020年3月末の国籍・分野ごとの在留状況ですが、全体で「3,987」名です。

詳細は下表をご参照ください。※出典:法務省  特定技能在留外国人数の公表(国籍・分野)より

当初日本政府が想定していた特定技能の目標人数は2020年3月末時点で40,000人でした。特定技能が生まれて1年以上が経過しているのに、ものすごく少ないですよね。どうしてこれほどまでに特定技能が進んでいないのでしょうか。原因は法案の成立から施行が非常に短かったことで、制度の整備が遅れてしまい、不透明で分かりづらい状況が続いてしまったことためです。

特定技能を活用しようと前向きだった多くの企業様も制度が不透明なので、対応時期を見送る判断をする結果となってしまいました。

良かれと思い日本政府が早く進めた結果、進捗が芳しくない状況となっています。 上表を分野別で見ていただくと飲食料品製造業分野が全体の35%と比較的高い水準となっております。

次いで農業分野、素形材分野となっており、分野ごとに進捗に差があることが見受けられます。当社でも飲食料品製造業分野の支援をさせていただいている企業様が多いです。

飲食料品製造業の分野は数年前から外国籍の方を積極的に勤務している現場が増えてきていることもあり、特定技能の制度に関していち早く取り入れる考えを持っている企業様が多い印象です。

改めて上表を国別で見ていただくとベトナムが2,316人と全体の半数以上と多いことが分かりますよね。どうしてベトナム国籍の方が多いのでしょうか。理由は明確です。実習生として活躍している人数が圧倒的に多いためです。

OTIT(外国人技能実習機構)が2018年度に実習生として認定を受けた国籍別の統計を出しています。下表をご参照ください。

<部分拡大>

合計の項目をご覧の通り、実習生の半数以上(構成比50.5%)がベトナム国籍の方となります。またベトナム国籍の方は留学生も多く、アルバイトとしても活躍しているケースが非常に多いです。そのため企業様はベトナム国籍の方と仕事をする機会が多く、一緒に仕事をした経験から選ばれているケースが多いと予想できます。

特定技能の在留外国人の都道府県分布を知りたい

下表は法務省の統計情報から当社が都道府県ごとに人数を抜粋したものとなります。

47都道府県すべてで特定技能の人材が在籍していますね。ただ各都道府県により人数のばらつきを確認することができます。上表を確認していただくと都市部や都市部近辺での就業者が多いことが分かります。

当社でも多くの特定技能希望者と面談をさせていただく機会がございますが、お金の面だけではなく、休みの日は都市部に遊びにいきたいなどの要望が多く見受けられます。日本人でも都市部で働きたいと憧れを持った方は少なくないと思います。

それでは地方エリアでは採用ができないかというとそんなことはありません。たしかに都市部は外国籍の方にとっても魅力的です。ただ魅力的な分、家賃などの固定費が高くなるケースもございます。地方は住居費用を抑えることができる点がメリットであり、また食事手当や家賃補助など特定技能の方の生活を補助する福利厚生を充実させることで、十分魅力的になります。ご安心ください。

特定技能の在留外国人のルート別のリアルを知りたい

先ほどベトナム国籍は実習生の方が多いから特定技能の人数が多いと説明させていただきましたが、下表は法務省の統計情報から当社が人数の多い国籍で一部修正したものとなります。

技能実習生から特定技能へ変更している方が全体の90%の割合を占めています。試験ルートでの特定技能切り替えはまだまだ分野ごとの試験が整っていないこともあり、人数が少ない状況です。現在日本国内で定期的に特定技能の試験が開催されている分野は下記となります。

  • 飲食料品製造業
  • 外食
  • 宿泊
  • ビルクリーニング

特に飲食料品製造業と外食に関しては今後の試験予定も発表されており、2020年度は計3回実施する予定となっています。2020年度の第一回は9月に予定されています。今後分野別の試験が開催されることで試験ルートからの特定技能人材も増えていくと予想されます。

コロナウイルス影響下における特定技能の今後の見通しは

冒頭でもお伝えしましたが、日本への入国規制により特定技能の人材が海外から入国できない状況が続いております。当社も100名を超える方が在留資格の認定が下りていますが、入国できず母国で待ってもらっている状態です。

それでは現在特定技能の人材を確保することができないかというとそうではありません。海外から人材を連れてくることができないならば、日本国内にいる人材を特定技能へ切り替えていけば良いのです。

海外からの入国の目途が見えないことで多くの企業様は日本国内の特定技能に切り替えできる人材に注目が集まっています。

日本国内にいる人材を特定技能に切り替える方法は2点あります。

  • ①分野別試験、日本語能力試験の両方に合格している方
  • ②技能実習の2号を良好に修了している方

①の対象となる方の多くは留学生です。そのため入社の時期は卒業タイミングの4月に集中することが多いと思います。また分野別の試験自体もまだまだ頻繁に行われていないこともあり、試験合格者が特定技能に変更するにはもう少し時間がかかりそうな印象です。

②の対象となる技能実習生ですが、特定技能を希望して継続的に日本で働きたい方はたくさんいます。コロナウイルスにより母国に帰国できないため、より一層高まっています。多くの企業様も現在注目しているのは②の国内にいる技能実習生になります。

また、特定技能、テスト受験・合格の状況については、こちらの記事で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

3年間同分野の仕事の経験を直近まで実施しており、日本の文化に慣れ親しんでいる人材は多くの企業様にとって非常に魅力的と捉えています。最近では当社も海外からの人材だけでなく、国内からの人材を希望される企業様が増えてきています。

ここまでお読みになって特定技能の現状は理解できましたでしょうか。特定技能は企業様にとっても外国籍の方にとっても魅力のあるものです。1年前の施行段階に比べて制度も非常に明確になってきていますので、今後の活用は拡大していきます。

入国規制が解除されましたら、海外から多くの人材が入国し、ますます特定技能が世間に浸透していくと思われます。一度特定技能の検討を見送った企業様もこれから検討される企業様もぜひ特定技能の制度を理解したうえで、ご活用いただければと思います。

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